JW CADの設定ファイルを理解する
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JW CADを使う機会がありました。検索したら皆さん設定ファイルには苦労されているようです。ネット上の情報も錯綜しているようです。
そこで、設定ファイルの仕組みを理解できた範囲で解説したいと思います。ただし、私は初心者ですから、勘違いしている部分もあるでしょう。ご了承ください。
Jw_win.jwf
デフォルトの設定ファイルです。デフォルトというのはこの場合、正しい場所に正しい名前で設置すれば、起動時に自動的に読み込まれるという意味で使用しました。
ネット上には初歩的な間違いとして拡張子が違っていたり、ファイル名を間違えたり、全角で名前をつけたりする例が紹介されています。もちろん名前を間違えたら動作しません。
この設定ファイルが有効の場合、もちろん設定ファイル内で記述したオプション値がJW CADに取り込まれます。ですが名前を間違えたり、設置ディレクトリーを間違えたりした場合は、オプションを保存しておくプロファイルファイルに保存されておいた値が利用されます。(またネット情報によると、レジストリに保存されるという情報もあります。どこに保存されていても、自動的にJW CADにより取り扱われますので、私たちは意識しません。)
もちろん、設定ファイルを使用しない場合も、プロファイルファイルの値が利用されます。このファイルにはJW CAD起動中、オプションを保存するタイミングで、ファイルにも自動保存されていると考えられます。
さて、このデフォルトの環境設定ファイルはJW CADをインストールしたディレクトリー、通常はC:\jwwになりますが、その中に設置する必要があります。要は、JW CADの実行ファイルであるJw_win.exeと同じ場所に設置します。
上手く動作しているか確認するためには、JW CADをインストールしたフォルダー(通常はC:\jww)を開き、直接実行ファイルであるJw_win.exeをダブルクリックで起動してください。新しい図面が表示されますが、レイヤー名や線の色などが、設定ファイル通りであれば、正しく動作しています。
Jw_win.jwfファイルが存在しない場合、もしくはファイル名を間違えている場合は、JW CADのオプション設定(基本設定など)で指定し、保存した値が使用されます。
簡単に見分けるには、レイヤー名をJw_win.jwf中で定義しておくことです。環境設定ファイル中でレイヤー名を設定しておけば、その名前が右下の現在の書き込みレイヤーが表示される場所に表示されますので、一見で判断が付きます。設定ファイルでレイヤー名を設定していても、設定ファイルが有効になっていなければ、レイヤー名は空白のまま表示されます。
まずは、この方法で正しくJw_win.jwfが正しく設置され、有効に動作しているか確認しましょう。
紛らわしい「ファイル読み込み項目」
JW CADを起動している時に「基本設定」でオプションの設定ウィンドウを開くと「ファイル読み込み項目」があります。
ファイルと言ってもJW CADはたくさんの拡張子、つまりファイルの種類を扱います。そのため、ファイル種類を正しく理解できていないと混乱します。
ただし、JW CAD側の責任として「ファイル読み込み項目」という、広すぎる文言を表示していることで、混乱に輪をかけている状況ですので、もし混乱していてもユーザー側の理解力不足とは言えません。
この場合の、「ファイル」とは図面ファイルです。「ファイル読み込み項目」の右側には3つの項目があります。
- 線色要素・線種パターン・線半径
- 描画・印刷状態
- 文字基準点ずれ
この3項目はオプションの設定で保存されますし、設定ファイルでも記述できます。それ以外に図面ファイルを保存する時、図面のデーターと一緒に現在の設定値が図面ファイル(拡張子JWW)に保存されます。(また、この3項目以外でもファイルに保存される情報はあります。)
基本設定のウィンドウ、もしくは設定ファイルでそれぞれを「読み込む」設定にしている場合、図面と一緒に保存されている情報が有効になります。つまり、前回図面ファイルを保存した時の設定がそのまま有効になります。
逆に「読み込まない」設定になっている場合、Jw_win.jwfファイル中の設定、もしくはオプションを保存した設定が有効になります。
ちなみに設定ファイル中のファイル読み込み項目の指定はS_COMM_1の8番目の項目です。
レイヤー名
前述のとおり、レイヤー名は設定が有効になっているかどうか、判断しやすいのですmが、図面ファイルをダブルクリックで起動した場合、レイヤー名で保存したオプションが有効なのか、それともJw_win.jwfの設定が有効になっているのかは判断出来ません。
なぜなら、レイヤー名は図面ファイルと一緒に保存され、図面ファイルを読み込むと一緒に読み込まれるからです。つまり、前回保存した時のレイヤー名が必ず設定されます。(多分、縮尺もです。)
ですから、いくらJw_win.jwfファイル中に設定しておいても、既に保存されている図面ファイルを読み込むことで自動的にレイヤー名が変更されることはありません。レイヤー名を設定ファイルの内容に設定したい場合は、設定→環境設定ファイル→読み込みで、明示的に読み込みます。そして保存すれば、次回の読み込みからレイヤー名は保存された状態、つまり設定ファイルの内容と一緒になります。
新規作成時
新規作成時に、設定ファイルの内容が有効になるのか、それともJW CADが現在保持している設定内容のままなのかも、「設定」により決まります。
基本設定の一般(1)タブのかなり下にある項目、「新規ファイルのとき、レイヤ名・状態を初期化、プロフィール・環境ファイルを再読み込み」で指定します。チェックをつければ再設定、付けなければ今のままです。
設定ファイルではS_COMM_3の8番目の項目です。
つまりポイントは:
- 設定はオプションによる保存、設定ファイルの内容、図面ファイルに一緒に保存される3つの状況がある。
- 設定内容により、保存されたオプションや設定ファイルの内容が有効になったり、無効になったりする。
- 図面ファイルの読み込み時は、図面情報と一緒に保存されている設定内容が有効になるオプションもある。
- 新規に図面を作成する場合、今の状態のままなのか、設定ファイルを読みなおすかは、設定により決まる。
これだけ理解しておけば、他のオプションの動作で迷うことがあっても何が起きているのか解決の糸口にはなるでしょう。
設定ファイルをもっと柔軟に適用したい
図面ファイルごとに設定ファイルを指定できるプログラムもあるようです。しかし、面倒なので私は使っていません。
私は、図面ファイルと同じディレクトリーにJw_win.jwfが存在すれば、それをJw_win.exeと同じディレクトリーに自動的にコピーしてくれるプログラムを自作し、使用しています。
なかなか便利ですので、プログラムを公開します。以下の記事をご覧ください。