Laravel4、電子書籍の紹介

タグ: Laravel4  

今まで翻訳したLaravel4書籍をまとめて紹介したことがなかったので、取り上げてみます。順番は日本語版の出版順序です。最後に、未翻訳のLaravel本も紹介いたします。

全部カナダの電子出版スタートアップである、Leanpub社から出版されています。ほとんどの書籍でサンプルを読むことができますので、購入前にサンプルを一読されることをおすすめします。

Laravel4 ドキュメント+

購入先:https://leanpub.com/laravel4plus

  • 著者:Hirohisa Kawase
  • 値段:5ドル

私が出版しています。定期的に公式ドキュメント原文の変更を反映しています。更新メールの通知の際、変更ポイントをお知らせしています。大体1〜2週間間隔でアップデートしています。(現在、変更があまり頻繁ではないため、2〜4週間感覚になっています。)

同じ内容をWeb版でも公開しています。さらに現在のバックログになっている書籍の翻訳が終了したらGitHubでも公開します。両方共、あまり頻繁に更新していません。大きな変更が合った場合、もしくは小さな変更が溜まってきた時点で更新しています。大体1〜2ヶ月間隔で更新しています。

電子書籍本の翻訳が落ち着いたら、環境を整理し、Web版の内容はGitHubのlaravel-jaリポジトリーで公開します。

Laravel Testing Decode

購入先:https://leanpub.com/laravel-testing-decoded-japanese

  • 著者:Jeffrey Way
  • 値段:15ドル
  • ページ数:281ページ
  • 内容:Laravel4における、ユニットテスト、結合テストなどの実践方法の解説書
  • 対象:ある程度Laravel4を利用できる方。品質の安定のため、テスト導入を考えている方。
  • お買い得感:★★★★★

最初はユニットテスト自身の解説から始まります。著者のJeffrey Way氏が公開してるテスト補助ツールやMockeryなど既に実績のあるテストツールの使用方法を紹介しています。テスト駆動開発の実践方法を全体を通じ、説明しています。

出版から半年もたっていませんが、LaravelやComposerなどの進化が早すぎ、既に内容が古くなってしまった部分もあります。しかし、これだけの内容が15ドルで読めるため、もし一番お買い得な書籍を尋ねられたら、この書籍をおすすめします。

どうして、テストテストとPHP界隈で話されているのか不思議に思われている人も、その理由が納得できるかと思います。

全く初心者の方や、プロトタイプを素早く作成するのが目的な方には、適していません。もちろん、テストに関心を持っていない人にも、向いていません。

Laravel: From Apprentice To Artisan

購入先:https://leanpub.com/laravel-jp

  • 著者:Taylor Otwell
  • 値段:29.99ドル
  • ページ数:65ページ
  • 内容:Laravel4を使用して規模の大きなWebアプリを作成するための、基本原則の解説
  • 対象:Laravelを使いこなし、大きなWebアプリの作成などに取り掛かっている開発者の方々。設計原則などを理解したい技術者。
  • お買い得感:★☆☆☆☆

はっきり言って、コストパフォーマンスは現在最悪です。

著者のTaylor Otwell氏は、Laravelの開発者です。基本的に、彼だけがメインでコードしていると考えてよいでしょう。

出版した当初、これで終わりにするつもりは無かったらしく、積極的にアイデアを求めていましたが、お気に召すものがなかったようです。結局、今のところ1章追加されました。しかし、1章がLaravel4の公式ドキュメントとして、公開されました。

いくらアイデアに優れ、技術力に優れている人間であっても、知識を本にするというのは別の作業だという典型的な例です。良い技術者が、良い書き手であるとは限りません。特に内容を後から追加していくというのは、やってみると意外に難しいことだと分かります。

ただ、この本について言えば、短い中にも原理・原則が圧縮されていると考えられるのであれば、短い時間でサッとポイントが押さえられている書籍を読めることに価値があると考えられるのでしたら、一読をおすすめします。上手く内容がまとまっています。

もっと値段が安ければ、正直全てのLaravel4ユーザーにおすすめします。残念ながら高いので、知識のためなら、多少お金を払っても良いと考えている人は、ぜひお読みください。ただ、そうした人達であれば、既に似たような内容の書籍はお持ちであろうと思います。

学生さんでソフトウェア工学を学んだ方なら、既に学んでいる内容でしょう。(多分、Javaででしょう。)

Implementing Laravel

購入先:https://leanpub.com/implementinglaravel-jpn

  • 著者:Chris Fidao
  • 値段:19.99ドル
  • ページ数:101ページ
  • 内容:テストや大きな開発に必要な、原理原則をどのように実践していくかを解説。
  • 対象:Laravel4を一通り使えるようになった人で、テストや原理原則を学んだ方。
  • お買い得感:★★★☆☆

実際のプロジェクトを通し、チュートリアル形式で原理原則の応用の仕方を学んでいくための書籍です。面白い書籍だと思いますが、なにせ読者ターゲットが限定されている印象を与えているため、さほど売れていません。

実際には、Laravel4を使用し始めた方が、実際のアプリの作成過程を理解するために読まれても、理解できるとは思いますが、その目的であれば、この後に紹介する2冊がボリュームとお買い得感で、より適しているかと思います。

つい、5日前に内容が追加されました。私自身原著書の購入者ですが更新のメールが来ていません。今、発売ページを見て、既に更新されていることに気が付きました。日本語版を購入された方、しばらくお待ちください。(追記:原書をダウンロードしチェックしてみましたが、それらしい箇所はありません。もしかしたら、一度追加し、すぐに削除したのかも知れません。)

どうやら、更新する気を持っているようですので、星3っつにしました。更新しなければ2つ半です。もっと更新されるようであれば、お買い得感の評価をもっと上げます。(追記:更新が止まってしまっているため、2.5です。)

リポジトリーパターン(と言うより、ドメインと言ったほうが良いのでしょうね)の実践については、一番具体的に書かれています。実際、半分以上がリポジトリーに関係しています。

表紙の顔半分だけ丸で囲った中に出ている部分で、ふざけた人物かと思われるでしょうが、内容はふざけていませんから安心してください。

Laravel 4 Cookbook

購入先:https://leanpub.com/laravel4cookbook-jp

  • 著者:Christopher Pitt
  • 値段:19.99ドル
  • ページ数:177ページ
  • 内容:実際のプロジェクトを通して、Laravelの使い方を学習します。
  • 対象:Laravelの公式ドキュメントを読み、一通りが内容が理解できる人。具体的なチュートリアルが欲しい方。
  • お買い得感:★★★☆☆

今現在で完成しているとしても、多分お得感がありますが、これでまだ40%の完成度です。2週間毎に新しい章が追加されていきます。まだ完成していないため、星を一つ減らしていますが、完成したら間違いなく星5つ、上げられます。(追記:追加の感覚が遅くなってきました。内容は凝っていますが、新しいネタを考えるのが難しいのでしょう。)

メールのやり取りからも、真面目な人物と思われますので、途中で投げ出すことは無いでしょう。同じ内容を英語のドキュメントサイト、Midiumでも公開しています。(追記:投げ出しつつあります。Midiumではいろいろな記事を書いていますが、肝心のLaraveに関しての内容がなくなってきたようです。そのため星を減らし、3つにしました。)

チュートリアルの内容ですが、結構濃いです。まだ5章だというのに、APIやったり、コマンド作成したり、パッケージを作成したりしています。Laravelをフル活用したい方にお勧めです。

今のところ、2週間ごとのリリースをお楽しみにできる方、コードから学ぶタイプの方におすすめしましょう。

Laravelでこなすプログラム術 Getting Stuff Down

日本語タイトルには、Getting Stuff Downの意味合いを含めてみました。B級映画のタイトルのようで、良いでしょう?

購入先:https://leanpub.com/gsd-laravel-jp

  • 著者:Chuck Heintzelman
  • 値段:29.99ドル
  • ページ数:未定(推定500ページ弱)
  • 内容:理論・実践・サーバー設定など、広くカバーしています。
  • 対象:初心者から、ある程度ベテランまで。広く深く。
  • お買い得感:★★★★☆

既に原書は完成です。書籍として見た場合、今までのLaravel本と比較にならないほどプロフェッショナルな内容でしょう。なにせ、著者の経験が違います。マイコン世代で、今までずっとプログラミングし続けてきたおじさんですからね。

内容的に、開発を学ぶ書籍としては、一番広範囲をサポートする一冊です。とはいえ、認証とか一般的な部分は押さえず、実際彼がWebアプリを構築しているやり方を見せ、その根本になっている理論を解説しています。TDDなど、流行りの開発手法は使用しませんが、地に足をつけた、通常の開発の様子が体験できます。(「本当の開発では、そうそう理論通りにはいかない。仕事を片付けるためには、ある程度目をつぶることも必要だ。」ということを説明しています。)

面白い本だとおもいますが、好き嫌いが別れるだろうから、星ひとつ減らしました。

Code Bright

ただいま、粗訳段階です。

購入先:https://leanpub.com/codebright-jp

  • 著者:Dayle Rees
  • 値段:29.99ドル
  • ページ数:未定(推定400ページ)
  • 内容:公式ドキュメントに書かれている内容を初心者向きに優しく解説しています。
  • 対象:フレームワークに慣れていない方でLaravel4を使いたい方。
  • お買い得感:★★★☆☆

まずは、この書籍に関してよく言われることですが、公式ドキュメントと同じ内容しか無いという悪口です。それはその通りで、公式ドキュメントの内容が読め、応用できる方々にとっては、価値がない本です。

それが、お買い得感の星2つの意味です。本当は2つ半くらいです。Laravel4を使用する人の多くは、既に他のフレームワークを利用した経験をお持ちでしょう。そうした経験があれば、公式ドキュメントと検索で情報を探して学んだほうが、早いでしょう。

Laravel3の時、同じような初心者向けの解説書をCode Happyとして売りだし、多くの評判を得ました。なぜなら、Laravel自身も今ほどの人気を世界中で得ていませんでしたので、公式ドキュメント程度しか、まとまった内容がありませんでした。

彼がチュートリアルを書き、それをCode Happyとして売りだしたことは、Laravelの発展にも役に立ちました。この書籍以降、チュートリアルも爆発的に増え、あっという間に人気のフレームワークの一員になりました。

これは良いのですが、Laravel4版のCode Brightは、高い・内容が少ない状態から売り始めました。それでもCode Happy信望者達は自ら購入し、ツイッターで褒め、そのためますます購入者が増え、出版社のLeanpub史上、冊数も売上もトップ1の書籍になっています。ただ、さほど内容が優れているわけではありません。古い内容、間違いも結構あります。(日本語版では、気づいた点は、注釈を入れておきました。)

Laravel4の場合、リリース前から情報は十分に存在していたので、たぶんこれほど売れてはいけなかったのだと思います。なぜなら全くの初心者向けだからです。(困ったことにLaravel4コミュニティーでこれを声高に叫ぶ人はいません。Laravelが順調のため、Laravel界の有名人はもうお互いに友達、顔なじみであり、仲良しクラブになった結果、批判がしづらい雰囲気になっています。)

それと、今回の翻訳に関して、彼は一人の翻訳者を仲介者に立てており、Rees氏には直接連絡もできません。縛りもきつく、値引きするな、全部訳すまで出版するな、あーだ、こーだと言っているのです。多分、翻訳者のやる気も削がれています。10言語翻訳となっていますが、実際半分しかリリースされていません。かわいそうに400ページも翻訳して、数冊しか売れていない言語もあります。

ですから、私も本当の「初心者」の方のために翻訳しました。軽く読め、フレームワークでアプリをどうやって構築するかを理解したい方には、良いでしょう。

最終的に内容はかなり広範囲すると書かれていますが、多分今のペースでは無理です。基本的な作成方法を押さえるためのものと考えたほうが良いでしょう。(Laravel3の時と異なり、Laravel4になってから、彼より技術的に上な、Laravelファンが電子書籍をドンドンと出版しました。それらの内容と重なってしまいます。また今のペースでは、彼が描き上げる頃に、初心者はベテランになるでしょう。)